ダークファンタジーのキャラクターデザイン|「共生」をテーマにしたキャラクターの作り方




ダークファンタジーというジャンルには、多くの魅力があります。

剣や魔法、ドラゴンや魔物など派手な要素も人気ですが、私が一番好きなのは「一枚の絵から物語を想像できる世界観」です。

今回描いたのは、頭に魔物を宿した少女。

一見すると魔物に取り憑かれているようにも見えますが、実際には敵対しているわけではありません。少女と魔物は長い年月を共に生き、互いを守り合う存在として描いています。


キャラクターよりも「物語」を先に考える

イラストを描くとき、まず服や髪型を考える人も多いと思います。

私は逆に、「このキャラクターはどんな人生を歩んできたのか」を先に考えます。

例えば今回の少女なら、

幼い頃、深い森で命を落としかけたところを森の魔物に救われました。

その代償として魔物は少女の頭に宿り、二つの命は一つになった。

村の人々からは「呪われた子」と恐れられますが、森の生き物たちは彼女を仲間として迎え入れます。

そんな設定を頭の中で作ってから描き始めています。

設定があると、自然と表情やポーズにも意味が生まれます。



シルエットで世界観を伝える

今回のイラストで意識したのはシルエットです。

横から見ても、

「普通の少女じゃない」

ということが伝わるようにしました。

頭には角を持つ獣。

背中には植物。

腰には木の実や蔦。

人間と自然、人間と魔物が一体化している姿を目指しています。

イラストは細部よりも、まずシルエットで印象が決まります。

遠くから見ても特徴が分かるデザインは、それだけで記憶に残りやすくなります。



ペン画だからこそ出せる空気感

私はペン画が好きです。

色を塗ると華やかになりますが、線だけで描く世界には独特の緊張感があります。

線の太さ。

影の付け方。

描き込みの密度。

これらを少し変えるだけで、柔らかさや不気味さ、静けさを表現できます。

今回も、少女の顔はあえて線を少なくし、頭の魔物には毛並みや質感を細かく描き込んでいます。

そうすることで、見る人の視線が自然と魔物へ向かい、「これは何だろう?」という興味につながります。



ダークファンタジーらしさとは

私はダークファンタジーとは、「暗い世界」ではなく、「美しい不気味さ」だと思っています。

怖いだけでは印象に残りません。

かわいいだけでも物足りません。

美しさと違和感が同時に存在することで、その世界には奥行きが生まれます。

今回の少女も、表情は穏やかですが、その頭には異形の生き物が寄り添っています。

この違和感こそが、物語の入口になるのです。




デザイン

キャラクターデザインでは、服や装飾を増やすことよりも、「このキャラクターは何者なのか」を考えることが大切です。

今回描いた少女は、人と魔物の境界で生きる存在としてデザインしました。

見る人によっては呪われた少女に見えるかもしれませんし、森の精霊に祝福された存在に見えるかもしれません。

正解はありません。

一枚のイラストから自由に物語を想像してもらえることが、私にとって一番うれしいことです。

これからも「高野良太 ― 世界の断片 ―」では、そんなダークファンタジーの世界を一枚ずつ描き続けていきます。

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